久しぶりのお店

 昨夜は、本八幡の長福酒房で友人ふたりと飲んだ。30代〜40代前半は長福酒房でよく飲んだものだが、船橋で飲むことが多くなり、長福酒房は10年ぶりだった。

 ふたりともよく飲み、ひとりは、一軒目では必ず撃沈して二軒目で復帰する体質で、昨夜は撃沈寸前で持ち堪えたが、どういうわけか、目の前に液体があると、すぐに空にしたい習性があり、生ビールで乾杯した後、紹興酒ボトルを入れると、わたしはコップに3杯、後は撃沈未遂友人がボトルを空け、その後はハイボールを何杯も空にしていた。もうひとりはパソコン難民のビール党。昨夜は生ビール10杯は飲んだかな。

 料理は全部で8品注文し、締めにわたしは五目醤油ラーメン、撃沈未遂友人はかた焼きそば、パソコン難民はニンニクカレー炒飯を食べて会計をしたが、酔っ払い達の清算は苦労する。

 レシートには、25,000円弱の金額が書かれていた。
 わたしは何を勘違いしたのか、
「ひとり5千円」
 と、ふたりに言い放った。

 すると、撃沈未遂友人が3千円をテーブルに置いた直後、計算間違えに気がつき、端数はわたしが持ち、
「ひとり8千円」
 と、訂正すると、パソコン難民は、
「はっしぇんえん?」
 と、呂律が回らない口調で復唱し、財布から万札を出したので、2千円の釣りを渡した。

 撃沈未遂友人には、「後5千円」と言うと、「出した」と返してきた。
「出してない」
「さっき出した」
「それはこの3千円でしょ。後5千円」
「5千円⁉️」
「25,000円弱だから、ひとり8千円なの。後5千円」
 撃沈未遂友人は理解したようで、5千円を出した。


 会計を済ませ、店をでると、パソコン難民の様子がおかしい。前後不覚の千鳥足になっていたのだ。立っているだけでもフラつく。一歩足を出せばその方向へよろよろと歩き出す。よろけて駐輪してあった自転車を掴んだら、自転車を倒してしまう。こりゃひとりで帰れるのかなと心配したが、そのうち千鳥足がなくなった。
「大丈夫か?」
「大丈夫」
 なら、いいや。

 撃沈未遂友人は徒歩で帰ると、本八幡駅で別れ、わたしとパソコン難民は地下通路から京成本線の京成八幡駅へ向かった。地下通路ではパソコン難民はわたしの後ろを歩いていた。時々振り向くと、ちゃんと歩いている。うん、心配ないな。京成八幡駅から下りに乗り、パソコン難民は市内の駅で降りて帰った。


 今朝、起床するとパソコン難民が心配になった。8時に電話をすると留守電だった。8時30分に再度電話をすると繋がった。
「もしもし」
「お、おう」
「ちゃんと帰れたようだね。心配したよ」
「うん、どうやって帰ってきたのか覚えてないんだよ。すっ転んで鼻血出しちゃったよ」
「あ゛大丈夫か?」
「うん、大丈夫」
 わたしと別れた後、自宅に向かって歩いている時にすっ転んだようだ。パソコン難民はわたしと一緒に電車で帰ったことも、お店のことも全く覚えていないと言った。
「俺も弱くなったよ」
「生ビール10杯は飲んでたからなぁ。飲み過ぎだな」
「うん、気をつけるよ」
 ひとまず、安心して電話をきった。

五目醤油ラーメン(税込880円)
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