昨日は両国国技館で大相撲夏場所三日目を観戦した。場所前に大の里、安青錦の休場が知らされ、初日の取り組みでは髙安に敗れた豊昇龍が、右脚太ももを痛め二日目から休場。
今場所は横綱が不在。横綱土俵入りもなくなり楽しみが半減していたが、十両へ復帰した167cmと力士の中ではミニチュアの炎鵬を応援しよう。初日、二日目と勝ち、三日目も勝利していい感じだ。また、幕内も大関に復帰した霧島を応援しようと、気持ちを切り替えることにした。

さて、タイトルついて。既にネットニュースでも取り上げられいるのでご存じの方もいると思うが、わたしは西枡席Sの3列目から観戦していた。
取組序盤、写真の通り藤ノ川の左足が明らかに土俵を割り蛇目を踏んだにも関わらず、目の前で見ていた正面の尾上審判部長(元小結浜ノ嶋)は手を挙げることもなく、そのまま取り組みが続行されたのだ。
わたしは直様、
「出た、出た、出た!」
と、藤ノ川の足が出たところを指差し声を挙げ、隣にいた知人も、
「出た、出た、出たわよ! 出たー!」
と、わたし以上に声を挙げて指摘していた。

物言いができるのは審判と控え力士
土俵回りには正面に審判長、東西に各1名の審判、向こう正面に2名(1名は時計審判)の計5名の他に東西で控えている力士2〜4名も物言いができる。過去に、白鵬、貴ノ浪が物言いをつけて、行司差し違えになったこともある。
例えば、力士の足の指が土俵を割ったかどうか、相手力士の曲げを手で掴んだかどうか微妙な時は、取組終了後に物言いがつくことがある。取組を中断させないためだ。
しかし、昨日の霧島×藤ノ川戦では、明らかに藤ノ川の足は土俵を割っていた。東方審判は霧島の体で、向こう正面審判は行司の体で、藤ノ川の足が見えなかったかもしれないが、その他の審判、控え力士は見えていたはずだ。それなのに誰一人手を挙げるものがいなかったのだ。
わたしが思うに藤ノ川の足が土俵を割った時、審判長は見ていなかったのではないかと思う。眼前に300キロは超える両力士の肉の塊が、自分の上の落ちてくることに肝を冷やしたのだ。
つまり、審判長は両力士の上体を見ていて、藤ノ川が霧島を押し戻したところで、あれ? いま藤ノ川の足出た?? だったのだ。
そのため、手を挙げることができず、藤ノ川が勝利したら、手を挙げようと思ったのだ。しかし、霧島が勝利したので、ま、いっかと取組後に手を挙げなかった。審判長の怠慢としか言えない。なお、行司は藤ノ川の足が出たところを見たが、審判長が手を挙げなかったのでそのまま続行したと述べている。
決まり手は上手投げだったが、その後審判監察室から指摘があり、霧島の決まり手が上手投げから寄り切りに訂正された。
引き落としが叩き込みに、突き出しが押し出しに訂正されるのなら分かる。しかし上手投げが寄り切りに訂正されるなんてことはあり得ない。
帰宅後、NHK ONEでこの取り組みを観ると、実況アナウンサーと解説の琴風がリプレイを見て、
「あれ、(藤ノ川の足)出てますね」
と、話していた。そして、琴風は、
「なんで寄り切りというのを言ってあげないとね。上手投げと言いましたが、その前に足が出ていましたので寄り切りに訂正しますと言ってあげないと、ただ変わってもお客さんはあれがなんで寄り切りなのってことになりますよね。そこはちょっと、館内放送も考えた方がいいんじゃないですかね」
と、指摘している通り、場内では何の説明もされなかった。
協議は審判だけ
土俵で協議をするのは5人の審判だけ。行司は協議の輪に加わっているが、意見を述べることはできない。ただただ審判員の協議を聞き、結果を待つだけなのだ。19代式守伊之助(通称髯の伊之助)が、土俵上で涙の抗議をしたことがあった。結果軍配差し違えになり、伊之助は抗議したことで出場停止処分を受けている。
審判監察室が導入
1969年(昭和44年)5月の夏場所から別室には審判監察室が導入された。
切っ掛けは1場所前から45連勝中の横綱・大鵬が戸田に押し込まれて土俵際は微妙な体勢になり両力士は倒れ、軍配は大鵬に上がったのだが、物言いがつき、行司差し違えで戸田の勝ちとなり、大鵬は45連勝でストップした。
ところが、放映されていたテレビや翌日の新聞では戸田の右足が先に土俵を出ていたのだ。相撲界は一度吐いた唾は飲まない主義だ。政治家よりましだが、古臭い考えだ。
現在、審判監察室には6台のモニターが設置され、複数の親方が取組を監視して物言いがあった場合、より公平・公正の判定を行えるようになった。

















