先月、50年以上購読していた新聞を解約した。今の時代、インターネットを使えば、Yahooニュース、Googleニュース、MSNなど無料でニュースは読めるし、カテゴリー単位に記事を選んで読むこともできる。ニュースアプリも多彩だ。大手新聞5社も地方新聞も有料でデジタル配信している。
1日1回届けられる新聞(朝刊のみ)より、ネットの方がリアルタイムに情報を得ることができて、情報量も新聞より充実している。パソコン、タブレット、スマホでいつでもどこでもニュースを読むことができるのだ。
元々、新聞は高齢の義父母が購読していた。わたしも妻も新聞は読む物ではなく、包み紙や敷く物などに使っていたし、妻は稀に新聞を読むことがあったようだが、百貨店で物産展が始まるとか、どこどこのお店でなになにが特価だとか、専ら広告に眼を通していた。因みに広告目当てで新聞を取っている人もいるようだ。
新聞の購読料は、月一の休刊日を差し引いて1日146円だが、塵も積もれば山となるで毎月4,300円(朝刊のみ)を支払い、年間で51,600円の支出だ。
義父母が亡くなってからも妻は、長年の付き合いだからと解約しないでいたが、前々からわたしが新聞は解約したらと妻に話していた甲斐があったのか、先月で半年単位の契約が切れる際に解約することを決め、先々月、集金に来た時にわたしが解約を告げた。当然新聞舗は続けて欲しいと懇願するわけで、こちらが悪いことをしているような気持ちにもなったが、心を鬼にして解約した。
ところが、昨日の昼下がりに解約した新聞舗の70代に見える初顔の小柄な男性、恐らく社長だろう、わざわざうちまで挨拶に来てくれて、
「藤泉庵さんには長い間契約していただきありがとうございました」
と、写真の日用品を渡されたのだ。

そして、社長は解約したのは弊社の対応が悪かったり、失礼なことでもあったのか聞いてきたので、そのようなことは全くなく、上記の理由から解約したことを話した。
すると、社長は納得した後、
「藤泉庵さん、来年の2026年4月から6月の3ヶ月だけでいいです。契約してもらえませんか。来年は新聞の記念の年なんです。どうか3ヶ月だけお願いします」
と、言ってきたのだ。
いやいやいや、もう新聞は取る気はないから。でも、社長はやんわりと取ってちょーだい、お願いします。という態度だ。こういう態度が一番困る。グイグイ攻めてくれればキッパリお断りできるが、やんわり懇願されると断るにも断りきれなくなる。ん〜と断りきれないでいると、社長は、
「あ、藤泉庵さん、米入りますか?」
と、聞いてきた。
このご時世、米には過敏に反応してしまう。
「米!? いただけるんですか」
「はい、パックのごはんですが、──」
と、180g10食入りのごはんを渡された。
しまった。話がどんどん社長のペースになっている。
よくよく思い返してみると、写真の日用品はいっぺんに渡された物ではなかった。はじめに、
「長い間契約していただきありがとうございました」
と、ティッシュボックスを渡され、解約した理由を話すと、
「そうですか、これもどうぞ」
と、キッチンタオルを渡され、3ヶ月契約の話になると、
「これもどうぞ」
と、洗剤を渡された。
わたしは徐々に社長にマウントを取られていたのだ。社長は長年の営業の感で、わたしを見た時から、鴨がネギを背負ってるだけでなく、鍋も卓上コンロもガスボンベも蕎麦も調味料も背負って、おまけに一升瓶の酒も抱えているように見え、コイツは落とせると踏んでいたのだ。
そして、わたしは社長が垂らした釣り糸の先のごはんに食いついたことで、まんまと釣り上げられ、言われるがままに成すがままに3ヶ月契約しちまったのである。この社長、的屋でも大成していたと思う。
ところで、来年はこの新聞社の創立記念かと思っていたら、新聞社が主催している『全日写連創立100周年記念』だった。写真コンテストもあるので、斑の写真応募してグランプリ取ったろか! 無理です。

















