干支セトラ「大人しい学年」

 わたしが中1の時だったと思う。母に十二支を教えてもらっていると、母はわたしの小学時代のことを話しだした。

 PTA会合に出席すると、先生たちから、私の学年は1学年上や1学年下の生徒と比べて「大人しい学年」と、言われたことが何度かあったそうだ。

 わたしとしては、小学時代を振り返っても自分も友人たちも皆快活だったし、学年全体も大人しいと思ったことがなかった。そもそも子供はうるさいものだ。

 母は、一度言われただけだったら、気にすることもなかったと思うが、推理好きだったので何度も言われると、なんでだろ? となるわけで、わたしが、
「へえー、そんなこと言われていたんだ」
 と言うと、母は、
「干支だと思ったのよね」
 と、話はじめ、
「おまえの学年は卯年 (早生まれは辰年)で、上は寅年で下は辰年でしょ。腕白な生徒が多くて、おまえの学年が大人しく感じたのよ。きっとそうよ」
 と、自信満々に締め括ったのだ。

 干支と性格の関係には科学的根拠もなく迷信にすぎないのに、短絡的なわたしは、うさぎは虎にも龍にも蛇にも太刀打ちできないし、虎は吠えるだけで怖いし、龍は口から炎を吐くし、蛇は丸呑みするし、うさぎは逃げるか隠れるか食われるしかない。なるほど、そういうことかと納得したものだった。

 なお、「うさぎは寂しがり屋だから、1匹(羽・頭)でいると死んじゃう」はウソ。うさぎは基本単独行動で縄張り意識も強く、うさぎなのに一匹狼気質。虎も基本単独行動。但しライオンは “プライド” という群れを作る集団行動。龍は架空の生物なので分からない。蛇は繁殖期以外は単独行動。

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