エアーメイル

SettergrenによるPixabayからの画像

 中東情勢が悪化しているが、わたしは「ベイルート」と聞くと、高校時代に聴いた水越恵子の歌「エアーメイル」(アルバム『Heart』に収録)が頭の中で流れる。

 雨上がりのちょっぴり物悲しい静かな秋空を感じさせるロウテンポの前奏ではじまり、

あの人は今ベイルート

 と、歌い出す。そして、

窓をあけると地中海 真っ青な海が見えるって あの人からのエアーメイル

 と続き、ワンフレーズが終わる。

 遠距離恋愛の歌かと聴いていると、この後アップテンポに変わり、

あの人はもうベイルート 優しい人と結ばれて(中略)私は今日もガラスの城 タイプライター打つ手をとめ 遥か彼方のベイルート 想いをはせる昼下がり 「愛してるの」一言で 二人かわれたのかも 日付変更線をかるく翔びこすように ほんの小さなためらいが 違う運命さだめをつくったの

 と、優しい人と結ばれたあの人に、今も想いを馳せる女性の心情を歌った曲だった。

ベイルート

レバノンの首都。第二次世界大戦後、フランスから独立。中東における交通の要所であり、商業と金融、観光の主要な中心地となり中東のパリ(アラブ世界の知的首都)と呼ばれるほど華やかで美しい街として発展。在留邦人数は一時3,000人に達した。
しかし、1975年にレバノンで凄惨な内戦が勃発。ベイルートは、イスラム教徒の西部(ベイルートの大部分)とキリスト教徒の東部に分割され、ベイルートの上流階級や知識人の多くが他国に逃れ、商業や文化活動が栄えた市街地は無人地帯になった。
内戦終結後、観光や大衆文化の中心はカイロ、イスタンブールなどの都市に、金融・交通の中心はドバイにその地位が移った。
(Wikipedia『ベイルート』参考)

 はじめて「エアーメイル」を聴いた時、なんでベイルート? いや、ベイルートってどこだっけ? 中東!? と思ったが、中東のパリは魅惑的は都市に感じたのだろう。

 ただ、『Heart』が発売されたのが、1979年8月1日だ。1975年にレバノン内戦がはじまり、1978年にはイスラエルがレバノンへ侵攻し、1990年に内戦が終結した。

 このような状況下で、あの人が優しい人とベイルートで幸せに暮らしているとは到底考えられない。歌詞は1975年以前に作られ温めていた、もしくは過去の想いを綴った歌だったのかな。

エアーメイル

作詞:水越恵子・樹里久美
作曲:水越恵子
編曲:川上了

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