
就寝中の深夜、枕元に置いてあるスマホから、それはそれは小さな音で、リリリリリーン・・・リリリリリーン・・・と、神々しい鈴の音のように鳴っていた。
スマホの画面を確認すると、ふた文字のカタカナ名が表示され、『+800』で始まる番号だった。
わたしは、例の国際電話詐欺かと、ほっといたが、なかなか鳴り止まない。いつまで鳴っているんだシツコイ。1分は鳴っていたと思うが、漸く鳴り止んだので、今の番号を着信拒否しようとしたら、またリリリリリーンと電話がかかってきたのだ。先と同じく『+800』ではじまる番号だったが、ふた文字のカタカナ名が違った。
そもそも、わたしがスマホの連絡先に登録していなければ名前が表示されないはずだ。着信音も設定している音とは違う。
どういうことだ? と、考えているところで目が覚めた。
夢だったのか。ホッとして寝ようとしたら、まだリリリリリーンと鈴の音が聞こえていることに気がついた。
あれ? 夢ではなく現実だったのか。わたしはスマホを取ると、ロック画面で着信中ではなかった。
でも、鈴の音はする。わたしは耳を研ぎ澄ませ、鈴の音のするところを探すと、隣で、グー・・・グー・・・と小さないびきをかきながら寝ている妻のスマホから鳴っていたのだ。
妻もスマホは枕元に置いていたので、妻を起こさないようにそっとスマホを取ると、こちらもロック画面で着信中ではなかった。
では、この鈴の音はどこから聞こえるんだ?? 更に耳を研ぎ澄ませると、その音は妻から聞こえていた。
妻の顔にそっと耳を近づけると、グー・・・グー・・・と一緒に、リリリリリーン・・・リリリリリーン・・・と、それはそれは美しい音色で二重奏を奏でていたのだ。
一体全体、妻の鼻腔はどのような構造をしているのだろうか。わたしは周波数の高い鈴の音のせいで、眠ることができなくなり朝を迎えた。よって、本日は寝不足なのである。


















