インドア派のわたしもアウトドア派の妻と一緒になってから旅行をすることが多くなった。そして、旅先の居酒屋や小料理屋の人、お店の人、タクシーの運転手さんなどと会話をしていると、どちらから来たのか聞かれることがある。
当然わたしは千葉から来たと答えるのだが、何故かここで話が終わることが多く、「そうですか」の一言も返さない時もあるのだ。
先月も大阪のとあるお店で、どちらから来たのか聞かれ、千葉から来たと答えると、お店の人は、何とも表現しがたい微笑みを向けただけで何も返してこなかった。常日頃、
「東京もん（関東）の話にはオチがない」
と、ぼやく大阪人なのに、何も返さず無言ですか😆
鳥取・島根旅行をした時も鳥取砂丘へ向かうタクシーの運転手さんにどちらから来たのか聞かれ、千葉から来たと答えると返事がなく、しばらくして別の話をしだした。出雲市駅からホテルへ向かうタクシーでも、大田市駅から出雲市駅へ戻るタクシーでも同様だった。まるで空耳だったように。
さて、千葉って言葉を失わせるほどとてつもなくユニークな県なのか？ 千葉と聞いただけで、とんでもない地雷を踏んでしまったとでも思っているのか？ はたまた流民が辿り着いた特異な県とでも思われているのか？ 確かに島だけど。
姫路城を観光した時、宿泊した神戸のホテルには屋上に24時間開放の露天風呂があり、深夜に行ったら、終業後のホテルマンがふたりいて、湯船の傍で涼んでいた。お互いに「こんばんは」と、挨拶を交わし、わたしが入浴していると、ホテルマンのひとりが、
「どちらからお越しですか？」
と、聞いてきたので、
「千葉から来ました」
と、答えると、こちらに笑顔を向けていたもうひとりのホテルマンは途端に眉間に皺を寄せ、苦虫を噛み潰したような顔になり、その後は二度とわたしと目を合わすことも笑顔を見せることもなかったのだ。この時は、千葉で相当に嫌なことがあったのか、千葉人から酷い目に遭わされたのか、それとも千葉県十里四方の所払いになったのかと思いましたよ。
話しかけてきたホテルマンはそれを知ってか知らずか、
「そうですか、旅行ですか？」
と、笑顔で返してきたので、このホテルマンと少し言葉を交わしたが、決してこちらを向かない、もうひとりのフン詰まり顔のホテルマンが気になって仕方がない。わたしが彼に何をしたわけではない。段々と不愉快になりゆっくり湯船に浸かることはせず、適当なところで風呂を上がることにして、
「お先に」
と、ふたりに言うと、話しかけてきたホテルマンは、
「おやすみなさい」
と、笑顔で会釈したが、フン詰まりホテルマンはこの時もシカトしてましたよ。何があったのか知らないが、客にそのような態度を取る君はホテルマン失格だ。
伊勢神宮～紀南を旅行した時は、和歌山のタクシー運転手さんから、どちらから来たのか聞かれ、千葉から来たと答えると、
「千葉はピーナッツやね」
と、小学校の地理試験の模範解答を返してきた。
確かに千葉県八街市は落花生の生産量が日本一で2020年の全国シェアは83.3％だ。しかし、わたしも妻も普段落花生を口にすることはない。落花生アレルギーとか嫌いということではない。妻がほんと稀に柿ピーを買ってきた時に食べるくらいなのだ。したがって、この時のわたしは運転手さんに「ええ」だったか「そうですね」としか返せなかったが「正解！」と返せばよかった。
もし、わたしが千葉県外の人間で相手が、
「千葉から来ました」
と、言ったら、なんて返すのか考えた。
そもそもわたしは60年間千葉県人でありながら、千葉県内を旅行したことはほどんどない。
宿泊
- 小1〜3年の時の夏休み、富浦での海水浴（2泊3日だったか3泊4日）
- 中3の卒業間近に友人らで行った内房（場所忘れた）（2泊3日）
- 高1の時の水泳研修で鴨川（1泊2日）
- 新高3の春休み、担任とクラスメート有志でキャンプした清和県民の森（たぶん）（1泊2日）
- 20代、出向先の部内旅行で御宿（1泊2日）
- 40代、マザー牧場（1泊2日）
日帰り
- 幼稚園年長と小1の遠足で谷津遊園
- 小3の遠足でマザー牧場
- 20代、同僚の結婚式で旭市
- 40代、友人の車で佐原ドライブ
- 50代、車で妻と鹿野山ドライブ
- 30〜50代、毎年ではないが成田山新勝寺初詣
と、この程度だ。宿泊総日数は県外の方が多いと思う。なお、日帰りは他にもあるが、観光地らしい観光地には行ってない。九十九里にも行ったことがあるような無いような曖昧な記憶しかない。館山は車で駅前を素通りしただけ。東京ディスニーランドで遊んだのも1度だけ。東京湾アクアラインも利用したことがない。
ひとえに千葉県と言っても広いですからね。千葉県が東京ディスニーランドの面積より小さいバチカン市国だったら、まだ話すこともあると思うが、件の人たちも何て返せばいいのか戸惑ったのかもしれない。裏返せば、落花生も市町村単位も除き、「千葉県と言えばこれだ！」と、誰もが認める “第一に挙がる” 観光地も無ければ、千葉に来たのなら “必ず行かなければ” というスポットも無いということになる。
以前、わたしが市川市に住んでいた頃、他県に行った時に千葉から来たことを言ったら、その人はやたら九十九里のことを話し出した。ん〜知らないし。それからは必ず市名まで入れて答えるようにしたんだっけなぁ。
ケースバイケースだが、「千葉から来ました」より、市町村まで言うのもいいかもしれない。
「千葉の市川市から来ました」
と、答えたら、相手は、
「私、市川市に住んでいたことがあります」
と、返してきて、少しだけ会話がはずんだ憶えがある。市川市と言う共通点があったので、乗っかってきたのだろう
余談だが、福岡の人と飲んだ時、東京都に隣接する関東の茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県を東京都も含め漠然と格付けしたら、どの順番になるか聞いたことがあった。
すると、この人は、まず東京都は別格と答えた。そして、次に神奈川県と答えた。うんうんまぁそうだろうなぁと聞いていたら、その次に挙げたのが埼玉県だったのだ。
え！ 千葉は埼玉の下ですか⁉️
∑(￣ﾛ￣；)！
まぁ、埼玉県は古いところでは、さいたまんぞうの「なぜか埼玉」って歌があったし、近いところでは「翔んで埼玉」って映画があったし、お笑いでは、はなわにいじられているし、全国の知名度は千葉より埼玉の方が上か。
ただ、この人も埼玉県を3番目に挙げた時、千葉人であるわたしを気遣ってか、埼玉と千葉は同じくらいかなぁと訂正したので、この人の格付けを符号で表すとこんな感じ。
東京都（別格）＞神奈川県＞＞埼玉県≧千葉県＞茨城県
それにしても、他県民の千葉のイメージは気になりますね。
