鳥取砂丘・砂の美術館からタクシーで鳥取駅に戻り、15:14発特急スーパーまつかぜ7号に乗車した。特急それもスーパーまで付くのに2両編成のディーゼル車だ。途中駅のホームには「4両限界」の立て札もあったりして、日常の電車での人々の移動の少なさを感じた。
17:11出雲市駅に到着しタクシーで宿泊先の出雲ロイヤルホテルへ。ここを3泊4日の根城とした。ホテルまでの車中、運転手さんから観光ですかと聞かれたので、出雲大社、石見銀山、松江城を観光するために千葉から来たことを言うと、それを復唱するように、
「島根は出雲大社、石見銀山、そして松江城しかないけんねえ」
と、言ってきた。わたしも妻も何て返せばいいのか言葉を失う。
さて、ホテルにチェックインして夕食はどうしようかと考える。わたしひとりだったら、近くのイオンモールかマックか吉牛でテイクアウトしてホテルに戻り、テレビを見ながらまったり部屋飲みでも構わないのだが、んなことを夜の帳が下りた繁華街での外飲みを楽しみとする妻に提案したもんには、
「あんたはアホか😡」
と、雷鳴が轟くこと間違いなしだ。ならば世話なくホテルから目と鼻の先の『牛角』が一瞬頭をよぎったが、それだと味気ない。という事でスマホで良さげな居酒屋を探し、代官町にある『石州(せきしゅう)』を予約し18時30分に行った。
お店に入ると、真ん中が通路、左側が小上がりの4〜6人の座卓が2卓、右側が10人ほどが座れるカウンター席になっていて、店内は既に地元客恐らく常連客ばかりなのだろうほぼ満席だった。わたしたちはカウンター席に案内され、まずは生ビールで乾杯した。
カウンター内には、おばんざい、里芋や魚介類の煮物揚物数種、ポテトサラダが盛られた複数の大皿が並べられて置かれていた。店の者はこのお店をはじめて30年の女将さんと、30代前半の男性のふたりでやっていたので、親子かと思っていたら男性は東京、名古屋、大阪、岡山で仕事をして3年前にUターンした地元のアルバイト店員だった。女将さんの出身は出雲市西隣りの大田市(おおだし)。なので店名が『石州』なんだね。
食べ物は刺身5点盛り、大皿の料理4品(里芋の煮物は量を減らして注文)、鯨ベーコン、おでん5種を注文し、日本酒は島根県産の銘柄を変えてふたりで3杯ずついただいた。料理もお酒もみな美味しかった。
20時頃を過ぎると、周りの客は潮が引くようにいなくなり、客はわたしと妻のふたりだけになった。それからは女将さん、アルバイト店員と話をしながら飲んだのだが、どうも話が盛り上がらない。打てば響くような返しもなく、会話のキャッチボールがぎこちないのだ。
いや待てよ、前日の義母の一周忌法要での大阪のしゃべくり親戚衆の余韻を引きずりそう感じたのだろうか。
いや、酔っ払ったわたしが何か失礼なことでも言ったのかなと自問自答もしたが、女将さんは会話をしながら大皿の赤貝の煮物をサービスで出してくれたり、自分の名刺も差し出して、
「またお越しください」
と、渡してくれたので、それはないだろう。
そうだ、やっぱり大阪のしゃべくり親戚衆モードになっていたのだ。そのせいなのだ。と、いう事にしておこう。小一時間ほど話をして締めることにした。
すると、注文をした伝票片手にアルバイト店員が電卓を打ち、いくらになりますと紙に書いた金額を提示してきたのだが、おや、高くねと思ったのだ。しかし、食べログでは3以上の星が付けられているし、口コミ評価には4以上の星もある。大皿のおばんざい、おでん、日本酒の料金は店内のどこにも表示されていなかったので確認しておけばよかったと思った。
支払いを済ませお店を出てからも、モヤモヤっとしたものが残り、妻にブツブツ言いながら歩いていると、路上端にギター流しのあんちゃんが座っていた。そして、わたしと目が合うと、
「1曲どうですか、なんでも歌いますよ。書いてない曲も歌いますよ」
と、A4用紙両面にびっしりと手書きされたレパートリー曲のクリアファイルを差し出してきた。
クリアファイルを見ると、ジャンルにこだわらずPOPもあれば演歌の曲も書かれていた。なるほど確かになんでも歌うようだ。流しのあんちゃんは、しゃべりも風貌もどことなくアンタッチャブルの柴田に似ていて、札幌出身で全国を回って流しをしていると言っていた。
わたしと妻は、演歌、フォーク、POP等トータル5曲をリクエストし歌ってもらい、ところどころで一緒に歌ったりして、モヤモヤしたものを晴らした。
「オリジナル曲聴かせてよ」
と、言うと、
「ん〜お客さんには合わないなぁ・・・」
と、言って聴かせてくれなかった。見た目で他人を判断するものではない💨
あんちゃんに名前を聞くとあまり言いたそうでなかったが、教えて教えてとせがむと「けいちゃん」と答えた。
「”けい” はアルファベットのK? KEI? それともひらがな? カタカナ? 漢字?」
と、矢継ぎ早に問うと、
「細かいなぁ😅」
と、苦笑して教えてはくれなかったが、写真撮影はOKでSNSにアップしてもいいか確認したら、
「いいですよ〜😊」
と、了承してくれた。
名前は正確に教えてくれないのにSNSへの顔写真アップはOKとはヘンな奴だ😑
1曲の料金表示はなかったので、1曲500円、計2,500円をギターケースに入れて出雲市駅からタクシーでホテルに帰ることにしたのだが、代官町を出ると帰り際の酔っ払いへの最後の誘い水ならぬラーメン屋台『善ちゃんラーメン』があるではないか。妻はもう食べられないと言ったので外で待たせ、わたしだけ屋台に入り、スタミナラーメンを食べたがニンニクが気持ちいいほどに利いていて、翌朝まで胃がもたれた。しじみラーメンにしておけばよかったと後悔する。
写真の弁当はまつかぜ車内で食べた『かにめし』と『かに寿し』。ふたりでシェアしたが、わたしは『かに寿し』の方ほうが好みかな。

後日、食べログ『石州』の予算を見たら(確認しなかったのかよ)、うん、予算内で収まっていた。予算が高めの設定だったんだね。料理もお酒もみな美味しかったのは間違いない。



















