日本そば屋備忘録

 写真はGW2日目、妻と買い物をした時の昼食で取ったカレー南蛮そばと天丼(エビ、ナス、カボチャの小丼)のセットメニュー。妻は天ざるそばを注文した。大阪に本社を置き、投稿現在1都1道2府29県に店舗を有する日本そばチェーン店で自家製麺だが乾麺を茹でたようなそばなので好き嫌いに分かれるだろう。天ぷらはまずまず。ご飯は粒が立っていて旨かった。


 20代の頃、夏季休暇を利用し長野の友人のところへ遊びに行ったことがあった。宿泊したホテルのルームには地元紙が置かれていて、何の気なしに読んでいると、コラム欄には「牛そば」のことが記されていて、地元のそば好き老人が亡くなる前に『もう一度、⚫︎⚫︎の牛そばが食べたい』と言ったお店のことが紹介されていた。

 翌日、友人にこのことを話すと、
「おー、聞いたことあるぞ、行ってみるか」
 と、行く気満々だったので、友人の車でそのお店へ行った。店内は5〜6人が座れるカウンターと奥には座敷があり、わたしたちはカウンターに座った。カウンター後ろの壁には昨日わたしが読んだコラム欄が切り取られて貼られていた。これは期待できるぞ。わたしは心が小躍りしながら牛そばを注文すると、友人は冷やしうどんを注文したのだ。

 😳? 牛そばではないのかと問うと、今日はうどんが食べたい気分だからと言うのだ。牛そば目当てに来たんじゃないのか訳わからん💨

 さて、牛そばが出されそばを一口すすると取り立て旨みを感じなかった。二口目、三口目も同じだった。そばも牛肉も汁も特別感はなかったのだ。地元紙は地元の活性化喧伝も兼ねるから、よそ者のわたしは期待しすぎちゃったのかな。何の感動もなく食べていた。

 すると、隣りで冷やしうどんを食べていた友人が、
「うめぇー!」
 と、唸ったのだ。そして何度か「うめぇー!」を連発した後、
「これ、旨いぞ、食ってみろ」
 と、わたしに勧めたのだ。

 しかし、わたしはうどんを食べにきたのではない。牛そばを食べにきたのだ。なので意固地になり、
「いや、いいよ」
 と、断ったのだが、それでも、
「いいから、食ってみろ、旨いぞ」
 と、執拗に勧めるので一口いただいた。

 😳💡 う、旨い!! 期待はずれの牛そばを食べていたので、演劇で例えるなら暗転の舞台がぱっと明るくなった感覚だった。これ手打ちうどんじゃないか。腰のあるシコシコ感は絶妙な旨みだった。わたしはここに何しにきたのだろうか。カウンター内の店主を見るとどこ吹く風だった。


 30代の頃、職場近くの増上寺大門付近に日本そば屋があった。わたしは鴨南蛮そば、餡掛けそばを注文することが多かった。メニューにはカレー丼とカレーライスがあり、この違いを店員に聞いたら、
「カレー丼はそばつゆとだしを入れて作っています」
 と、答えた。

 日本そば屋のカレーはそばつゆとだしやそば湯を加えて作っている。それなのにわざわざカレー丼とカレーライスに分けているってことは、よほどカレーライスに自信があったのか、それとも普通のカレーライスが食べたいお客への気遣いだったのか。一度は食べておけばよかったと後悔する。

 因みにこのお店のもりそば1枚は昔の盛り加減だった。つまり、1枚では足りないので必ず2枚注文した。


 40代の頃、職場近くの築地7丁目に日本そば屋があった。昼時になると店内は満席で店の外にお客の列ができることもあった。しかし、お客の目当ては日本そばではなかった。味噌ラーメンが美味しいと口コミで広がった日本そば屋だった。したがって、テーブルのあちらこちらからは味噌ラーメンを注文するお客の声ばかりが聞こえていた。当然わたしも味噌ラーメンを注文して食べた。


 時々、妻と行く地元商店街の日本そば屋は、厨房に女性主人、接客に女性店員(シフトで店員が変わるようだ)のふたりでやっている、十割そば(更科そば、南部そば、石臼そば、ダッタンそば)のお店だ。だた、もりそば(更科そばのみ)と天重やかつ重などのセットメニューをかけそばに変更するとほうれん草とかまぼこが入る分なのか、通常の丼の3/4ほどの丼サイズになり、もりそばより麺が少ないのだ。よって、わたしはそれぞれ単品で注文することがある。

 日本そばは、うどん・ラーメンと並び、日本人に取って切っても切れない麺食文化だね。

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