
自宅2階の3部屋が、今だに片付いていない。
片付かない理由については、妻の逆鱗に触れる恐れがあるのでここではお話しないが、妻は時々同居している妻の母から、「いつになったら片付くんや」「ええ加減にしなさい!」 などなど、わたしのいないところでお叱りを受けているようだ。
わたしも妻と一緒にいる時に義母から、
「早く片付けなさーい ^ ^」
と、視線は妻を向いているのだが、そこからその視線は屈折するようにわたしに向いているんだろうなぁと感じる、やんわりしたお言葉を頂戴したことが何回かあった。
しかし、わたしがいつも「エヘッ」と、バツの悪そうな表情をしてはやり過ごしていることに、妻はとうとうブチ切れたのである。
「なんで、いつも私だけ言われなならんのや!!」
∑( ̄ロ ̄;)!
自由奔放、豪放磊落、元あった場所に戻さずなんでもブーンしては「どこいった?」の妻なので、わたしは多少のことでは妻の言動に驚くことはないが、この時は不意をつかれる疾風迅雷の言葉に押され、わたしは咄嗟に、
「上から下への指揮系統(^ ^;」
と、妻の怒りの傷口を広げるようなことを言ってしまったのである。
当然のことながら、妻は今にもわたしに噛みつきそうな顔で、
「あんた、元橋家23代目の当主で世帯主なんやで!」
と、つまるところ、指揮系統だったら、自分(妻)ではなく、世帯主のわたしが義母からお叱りを受けなければならないと返してきたのである。
あ゛追い込まれている。
退き口を失い、トドに詰まったわたしは、怒り心頭の妻を諭すように、
「いいかい、元橋家を会社に例えたとしよう。そうすると、お義父さんが社長、お義母さんが専務、キミが常務。そして、おれは他社から転籍出向で元橋株式会社に来た平社員なんだよ。専務が常務を退けて平社員に命令するのは指揮系統からしておかしいでしょ」
と、苦し紛れの言い訳をしたのである。
果たして、妻は敵の城の落城を目前にして何故に兵を退く大将のように引き下がったくれたのだが、苦肉の策のキミは役員でボクは平社員が効いたのかな。
夫婦生活において、時には妻を立てることが必要であることを知った新米亭主のわたしであった。助かったぁ。

















