夕飯はいつものそば屋から出前を取り、カツ丼にたぬきそばを食す。たぬきそばは食べる予定ではなかった。家の者が注文したものだ。
しかし、母は晩酌がしたかったらしく、自分用につまみを出していた。私は先に晩酌をやっていたので、すでに晩酌終了。
「半分食べて」
と、言われたので、椀に半分ほど入れ替える。目が欲しがったのだろう、欲張ってしまった。
目の前のカツ丼と半たぬきそばを並べると、定食屋のセットメニューみたいだ。年追うごとに食が細くなり、外でもセットメニューを注文することはなくなった。完食できるか不安だったので、一気に食べる。
一応、完食はできたが、慌ただしく食べた感があり、味気ない。腹は貯まったが、なんだか食べた気がしない。よくよく考えれば、若い頃は質より量。美味しくない物は食べたくなかったが、今と比べれば食も太く安くて腹一杯食べられればよかった年頃。
それが、年を重ねるうちに人並みに味を覚え、加えて食も細くなり、多少値段が高くても、量より質、美味しい物を欲するように変わっていった。
年を取ったら、このような食べ方はあまりやらないほうがいいかもしれない。


















