ライト、ついてますか

 もう、20年以上も前に『ライト、ついてますか』と言う本を読んだことがあった。遠い記憶のため原文に忠実ではないと思うが、言いたいことに誤りはないので以下に説明する。

 ある山のドライブコース。山の中腹にトンネルを抜けた先に山並を一望できるドライブインがあった。ドライブに来た人は皆、そこで車を止め景色見ながら食事を取った。食事を終え、さて出発とエンジンをかけようとするがバッテリーが上がってしまいエンジンがかからない。そう、ドライブインの前のトンネルでライトをつけたまま消すのを忘れていたのだ。このような客は後を絶たなかった。

 そこで、ドライブインでは、解決策として、トンネルを抜けたところに “ライトを消せ” と、看板を立てた。

 ところが、「すでにライトを消している人はどーする?夜だったら消したらまずいだろう」と、クレームが出て“昼間でライトがついている車はライトを消せ”に訂正されたが、「霧が深かったり大雨で前方が見ずらいときはどーする?」と、またまたクレームが出て“昼間で前方が見ずらくなく、ライトがついている車はライトを消せ”に訂正された。

 しかし、「これでは読むには長すぎる。事故の恐れがあるのでは?」と、ダメ押しのクレームが出された。

 では、どーすればいいのか。あーでもないこーでもないと考えあぐねた結果、“ライト、ついてますか” になった。

 これならば、ライトを消し忘れたドライバーは消し、既に消しているドライバーや前方が見ずらいときも夜も問題はなくなった。オールマイティーな標語の看板となったのだ。

 この話しが言いたいことは、相手に物事を伝えるとき、まず“相手が何を求めているのか”を理解し“如何に要点をまとめ無駄なく伝えるか”の例として述べているのである。

“ライト、ついていますか”

目次