「だるま」と「たぬき」

 妻が百貨店レディー時代、
「お客様がおっしゃられたことはオウム返し(復唱)しなさい」
と、教わったことを話したことがあった。例えば、

男客:スーツを買いたいんだけど。
店員:スーツでございますね。スーツは3階…

女客:食器売り場はどこかしら?
店員:食器売り場でございますね。食器売り場は5階…

 という具合に。復唱することで聞き間違えを防止できる。

 そして、こんなハプニングも話した。

男客:ねーちゃん、便所はどこだ?
店員:便所でございますね。便所は…
不意に問われたため、咄嗟に発しまったようだ😅「トイレ」と返したかったことだろう。

女客:お電話どこかしら?
店員:おでんは “紀文” にございます。
そっちじゃない🤣

 かく言う妻も、酒売り場に来たお客さんから、
「たぬきはあるか?」
と、聞かれたことがあり、妻はサントリーオールド(通称「だるま」)のことだなと機転を利かせ復唱はせずに、
「少々お待ちください」
と、言ってサントリーオールドを持ってきて、
「こちらでよろしいでしょうか」
と、差し出すと、お客さんは、
「そう、それだ」
と、言って買っていったことを話した。

「オールドのことをたぬきかよ😆」と、わたしは笑ったのだが、後日為念ネットで調べたら関西から以西地域では、サントリーオールドのことを「たぬき」と、言う人がいることを知った。

 つまり、件の「たぬきはあるか?」と、サントリーオールドを買いに来たお客さんは、強ち間違ったことを言ったわけではないことになる。

 わたしは、サントリーオールドの通称は「だるま」の一点と認識していたが、マクドナルドの通称を関東ではマック、関西ではマクドと言う人が多いように、サントリーオールドの通称も地域によって違うのだろうか。

 因みに、妻は当時の酒売り場の店員同士では、ニッカウヰスキーのG&G白びん(1968年〜2015年)を「たぬき」と言って、サントリーオールドと区別していたと話した。

 サントリーオールドの通称、あなたはだるま派? たぬき派?

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