おにぎりとおむすび

 NHK朝ドラ『おむすび』が放送中だが、わたしは「おむすび」と言うことはまずない。お店のメニューが「おむすび」だったらそう呼ぶが、日常では、「おにぎり食べたい」「おにぎりください」など、「おにぎり」と言う。

 両親は関東出身だったが、父は「おにぎり」、母は関西出身の祖母の影響か「おむすび」と言っていた。握り飯ひとつで「おにぎり」と「おむすび」のふたつの呼び名を耳にする面倒臭い家庭で育ったわけだが、わたしの周りの環境が「おにぎり」と呼んでいたので、自然と「おにぎり」と言うようになったのだ。

 妻の両親は関西出身でふたりとも「おむすび」と言っていたようだ。したがって、妻も昔は「おむすび」と言っていたが多勢に無勢、周りに合わせて「おにぎり」と言うようになったことを話してくれた。

 地域によって呼び名が違うが、東日本は「おにぎり」、西日本は「おむすび」が多い説と真逆の説があり曖昧だ。

 おにぎりもおむすびも元は握り飯。形状での使い分けはない。


 おにぎりは鬼に握り飯を投げつけて退治した民話から「鬼切おにぎり」になり、魔除け厄除けの効果もあると言われていた。民話のソースが見つからないのが残念。

 おむすびは複数の説がある。

  • 古事記に登場する万物の生みの神様「高御産巣日神たかみむすびのかみ」や農業の神様「神産巣日神かみむすびのかみ」の名前が由来とする説
  • 山を神様に見立てる風習から三角形の握り飯「産霊むすひ」を神様にお供えし、これが「お結び」になったという説(丸いものは握飯にぎりいいと呼ばれた)
  • 貴族の女性が上品に「おむすび」と呼び、庶民が「おにぎり」と呼んでいた説
  • 人と人との良縁を結ぶという意味から握り飯が縁起物として「御結び」になった説

三大コンビニの呼び名(公式サイト、YouTube参考)

  • セブン-イレブン
    商品カテゴリー:おにぎり
    但し、手巻きはおにぎり、直巻を含むその他はおむすびと使い分けている
    CM:海苔、ごはんを強調して、おにぎり、おむすびは使わない
  • ファミリーマート
    商品カテゴリー:おむすび
    CM:おむすびを使用
  • ローソン
    商品カテゴリー:おにぎり
    CM:おにぎりを使用

 仕来りやこだわりを除けば、おにぎりとおむすびは、マックとマクドと同じですね。

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