
妻が知り合いの美容室へ行き、ベリーショートにした。なんか自分を見ているようなドッペルゲンガーだ。
そんな妻が、
「昔、髪をベリーショートにしていた時、女子トイレで男性に間違われたことがあったんだよねぇ」
と、話し出した。わたしは笑いだしてしまい、続きを聞いたら、1、2度ではなかった。
ロサンゼルス空港の女子トイレに入ったら、ふたりの尼さんが、
「ワォ〜」
と、驚いた。妻が、
「アイムレディ」
と、言うと、
「アイムソーリー」
と、謝られた。
同じくロサンゼルスのレストランでは、妻が男性店員にトレイの場所を聞くと男子トイレに案内された。妻が、
「アイムレディ」
と、言うと、
「アイムソーリー」
と、謝られた。
ニューヨークのディスコの女子トイレに入ったら、女性がギョッとした表情をしたので、妻が、
「アイムレディ」
と、言うと、
「アイムソーリー」
と、謝られた。
国内の女子トイレに入ったら、年配の女性が、
「ひょえー」
と、発したので、妻が、
「女性です」
と、言うと、
「ごめんなさい」
と、謝られた。
高校時代、妻はショートカットだった。ある日、姉と地元のパン屋さんに行った時、お店のおばちゃんが姉の注文を聞いた後、スカートは履いている妻に向かって、
「ボクは何にするの?」
と、聞いてきた。
ショーケース越しのおばちゃんからはスカートが見えなかったのだろう。妻が、
「スカートを履いた男子でーす」
と、おどけてみせたら、おばちゃんは、
「あら、ごめんなさい」
と、照れ笑いを浮かべた。
女性だったらこれだけ間違われたら凹むのではないだろうか。しかし、妻は「ふん🤨」なのだ。
雨にも負けず、風にも負けず、雪にも負けず、夏の暑さには溶けそうになるが、丈夫な体を持った逞しい妻なのである。

















