
ひとつ前の投稿で、“先見の明” の語字について触れたが、SNSのコメントで、
──独擅場を「どくだんじょう」と言う人に訂正したい気持ちがありつつも──
と、いただいた。“どくだんじょう” でいいんじゃないの? と思ったのだが、よ〜く見ると “だん” の漢字が土偏ではなく手偏になっている。
つまり、正しくは独擅場(どくせんじょう)で、独壇場(どくだんじょう)は誤用だったのだ。「擅」と「壇」は字形が似ていて、かつ「演壇」「教壇」「仏壇」「土壇場」などと混同して、独壇場(どくだんじょう)という用語が定着・慣用化したそうだ。NHKも、独擅場(どくせんじょう)は使わずに独壇場(どくだんじょう)を使っている。
「小洒落た」も「こ戯れる(こじゃれる)」の誤用だが、「ちょっと洒落たお店」を表現するときに「小洒落たお店」と表現され、「小洒落た」は定着した。
言葉って「嘘を百遍言えば真実になる」のように、誤用であっても定着・慣用化されると、さわさわっと変化していくものなんですね。

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「独壇場」「独擅場」? | ことば(放送用語) – 放送現場の疑問・視聴者の疑問 | NHK放送文化研究所
Q:「彼の独壇場(独り舞台)だった」などと言う場合の「独壇場(どくだんじょう)」は、「独擅場(どくせんじょう)」という言い方が正しいということを、最近聞きました…
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