日中、妻と時々利用している酒店へ行ってきた。この酒店は毎年全国の蔵元数十社に参加いただき大試飲会を主催している。妻と店主は元会社の先輩後輩の間柄で、先月店主が脳梗塞になったことを知った。心配していたが、今日お店に行くと店主は普通に働いていた。
「ご無沙汰しています。その後大丈夫なんですか、お店で倒れたんですか」
と聞くと、店主は倒れるようなことは無かったが、よくぞお聞きくださいましたとばかりに事の顛末を話してくれた。
店主の話し(要約)
- 今年1月に手が痺れを起こすようになり、そのうちに呂律が回らないことも起き、これは脳梗塞だと思った。
- 地元の病院で検査をしたら、異常なしと診断された。
- 店主はそんなことはないだろうと思ったが、医師がそう診断したのならばとほっといたら、症状が一向に治らなかった。
- 別の病院で検査をすると、ここでも異常なしと診断された。
- 店主は納得できない。症状も治らない。で、この後ふたつの病院で検査をしたが、いずれも異常なしと診断された。
- ただ、四つ目(最後)の病院では薬を処方してくれて、多少症状が治ってきたが、ある日、ボールペンで字を書こうとした時、手が震え書くことができなくなった。
- これはダメだと、都内の某大病院でMRI検査をしてもらったら、ここではじめて手術をしなければないないと診断された。この時5月。
- しかし、手術は3ヶ月後になると言われ、四つ目の病院で処方された薬も当院では使用していないと言われた上に何も薬を処方してくれなかった。
- 薬で多少症状が治っていたのが悪化した。
- そんな時、店主の友人から電話があり、房総にある病院の脳神経外科のT医師を知っているので、診てもらったと言われた。
- 6月、店主はT医師に診てもらいMRI検査の結果、脳梗塞と診断されたが、初期症状だったのだろう手術をしないで大丈夫と言われ、薬だけを処方してもらった。
- 現在症状は治り、来月再検査。
店主は話をしながら、最初の4つの病院の医師に対し、
「おまえらいい加減にしろよ。って言いたくなりましたよ」
と、口悪く言ったが、わたしもまったく同じ気持ちになった。
ただ、これらの医師たちがおしなべて誤診をしたとは思えない。それは、CTにしろMRIにしろそれぞれ性能ランクがあるからだ。
例えば、100倍顕微鏡と1,000倍顕微鏡では見えるものが違う。100倍顕微鏡で見た観察結果より、1,000倍顕微鏡で見た観察結果の方が遥かに詳細がわかる。
4つの病院のCT、MRIの性能では、異常を見つけることができなかったことも考えられる。よって医師たちは異常なしと診断したのではないだろうか。
都内の某大病院も房総の病院も最新機器を備えている。店主もまだ再検査があるが、今回のことを振り返り、
「最新機器を備えている病院で診てもらわないとダメですね」
と言い、人伝に聞いた「その某大病院はすぐ手術をしたがる」ことも話してくれた。
妻がすかさず、
「『ドクターX』みたいだね」
と、返すと、店主も、
「そう、大病院の医師たちは手術をして実績を上げたいんでしょうね」
と、返した。元会社の先輩と後輩らしい阿吽の呼吸のやり取りだ。
店主の再検査が異常なしであることをお祈りいたします。
皆さんも、臓器を検査する時は、なるべく最新機器を備えた病院で診てもらうのがいいのではないでしょうか。ま、名医と呼ばれる医師がいる病院は最新機器を備えていると思いますけどね。

















