
むかしむかしの昭和の時代、『恋は小岩で結ばれる』という結婚式場の車内広告があったが、これとは全く縁もゆかりも無いわたしの昨夜は、地元の女史と小岩にある『おどり』ですっぽん鍋(まる鍋)を食べた。
JR小岩駅南口を出て左側の南口サンロード商店街を歩いていくと道路に面した左側にお店はある。柴又街道に出てしまったら行き過ぎなので踵を返して来た道を戻ろう。
座敷に座ると、お通しに蛸の唐揚げを甘酢醤油に浸したものが出され、まずは生ビールで乾杯。すっぽんの生き血ワインを飲み、その後はひれ酒。料理はわさびおひたし、ポテトさらだ、すっぽんの刺し身(五臓と肉)はすり生姜と醤油で食べ、うなぎ蒲焼き(大)はすりわさびで食べ、談笑しているうちに真打ち登場とばかりにすっぽん鍋が出された。
プルプルとした食感、コラーゲンたっぷりです。特に甲羅の周りはコラーゲンが豊富なので、お行儀よくなんてことは忘れて貪り食いましょう。すっぽんの骨はポロポロと肉から剥がれるので、取り皿の中で肉と骨を取り分けてから食べるより、肉の塊を口の中に入れてから骨を出したほうが世話ないでしょう。
鍋を食べ終わると、その鍋でお店の人が雑炊を作ってくれる。デザートはバニラと抹茶のアイスクリーム。店員さんの接客は気持ちいいほどによかった。呼べば一回で、
「はい!」
と、言ってすぐに来てくれるし、料理を出すタイミングも頃合いをちゃんとみて出してくれる。小市民のわたしが常日頃利用するお店のほとんどは、店員の目の前で、
「すみませーん!」
と、言ってもシカトして行っちゃいますからね。注文を落とすこともあるし、“灰皿” 頼んだのに “ハイサワー” 持ってくるんじゃねぇーよ💨
おどりでは帰りも店員さんが店の外まで見送りをしてくれた。そして、
「また、お越しください」
と、言って丁寧に頭を下げた。
身も心も実に愉快な晩だった。

















