群馬名物ソースカツ丼

　今日は所用で群馬県太田市に行く。東武伊勢崎線浅草駅10時40分発特急りょうもう11号に乗車、太田駅に12時2分に着き、そこからタクシーに乗り、15分ほどで先方へ着いた。

　用事を済ませ、太田駅に戻った時間が14時半前。時刻表を見ると、次の上り特急りょうもうの発車時間が14時32分。これに乗車することは諦め、その次の15時32分浅草駅行の特急りょうもう30号の特急乗車券を購入。

　1時間のフリータイムができたことと、朝から何も食べていなかったので飲食店を探した。太田駅は北口と南口の2つの出口があり、南口には太田駅にへばりつくようにドデーンとドン・キホーテがあり、商業ビルも体裁程度に立ち並び、地方の駅周辺を感じさせる。

　北口はお見事～と言いたいほどの大きな広さで、半分がバス、タクシー、一般車乗降場所のロータリーで、後の半分は大きく四角に仕切られた更地。その更地の先に体裁程度の飲食店が2、3ある程度で南口とは相反した閑散としたものである。

　その北口の更地の先に『そば・うどん』の幟発見！　わたしの意思より先に足がそのお店に歩きだす。頭の中では「カツ丼、カツ丼、カツ丼・・・」を復唱していた。で、お店に前にくると、『群馬名物ソースカツ丼』の幟も立っていた。

　ソースカツ丼⁉️

　群馬名物を上げよと言われたら、わたしは『焼きまんじゅう』『だるま弁当』『酒まんじゅう』と、どれもこれも高崎名産ばかりで高崎以外の土地で暮らす群馬県出身の方には申し訳ないが、この程度しか連想できない。

　第一、ソースカツ丼なんて、丼にご飯盛って、その上に刻んだキャベツをまぶし、その上に買ってきたカツ乗せて、とんかつソースか中濃ソースかけるだけのあんちょこにできる家庭料理じゃないか。それが群馬名物なのか。

　アルミの打出し親子鍋につゆはって、刻んだ玉ねぎ入れて、カツ入れて、火加減見ながら溶き卵をかけて作るカツ丼とは雲泥の差だ。

　お店に入ると、時間が時間だったこともあり、店には客は誰もなく、親父さんひとりテーブルで新聞を読んでいたのをやめて、
「いらっしゃーい」
　と、言って、水を入れたコップを持ってきた。

　そして、なぜか「カツ丼」を食べようと思っていたのに急に「親子丼」が食べたくなったわたしは、席に着き、
「親子丼ください」
　と、注文すると、親父さんは、
「え⁉️」
　って聞き直してきた。再び、
「親子丼ください」
　と、注文すると、今度は、
「いえいえいえ、食べ物色々ありますから、まずメニューを見て下さい。当店自慢はソースカツ丼ですから、大きいのが2枚入っていますから」
　と、メニューを開いてテーブルに置いたのだ。

　この親父、親子丼頼んだらこれから鶏を捕りに行くのだろうか。親子丼作る気ないな。どーしてもあんちょこに作れるソースカツ丼を食べさせたいようだ。

　とりあえずメニューを見ていると、ひとりのおばちゃん客が入ってきて、わたしの後ろのテーブルに着くなり、「ソースカツ丼頂戴」と、注文したのだ。

　サクラか？　ふぅ〜仕方ねぇ、わたしもソースカツ丼と小丼のうどんのセットを注文することにした。

　で、お味は？　肉は柔らかったよ、ソースもあっさり系で食べやすかったよ。まあ、空腹に勝る好物なしと、言っておきましょう。