同乗者のいらぬ気遣い

 自家用車を手放してから15年経つ。通勤で使うわけでもなし、休日もインドア派のわたしはどこかへドライブに行こうなんて気を起こすこともなく、買い物も自宅から徒歩で行かれる、コンビニ、ドラッグストア、スーパーマーケット、ホームセンターがあるし、付近には路線パスの停留所もあり、15分ほどで利用駅に行かれる。

 交通の便の悪いところへ行くとき、雨の日や手荷物が多いときの買い物は、自家用車あったほうが便利だと思うが、こんなことは年に数える程度。

 乗って月1回、年に数回しか乗らないのに、自動車購入代、車検代、保険料、維持費等を払うなんてかなりの無駄。必要なときレンタカーやタクシーを利用したほうが全然安上がり。日常において自家用車を必要とする理由がなくなったので手放したのである。そして、それからは友人の車で旅行に行っても運転することはなく助手席専用になった。

「運転を代わってくれ」
 と、頼まれても、
「車持っていないから」
「最近運転していないから」
「車に傷をつけてはいけないから」
 などと、なんらかの理由をつけて断る。

 運転が怖くなったのではなく、面倒くさくなったのだ。助手席を一度経験すると、もう運転をする気なんてなくなったのである。

 助手席に座ると、なんと言うことでしょう、視界が広がり、周りの景色はよく見られ、寝たいときには寝られ、それでいて目的地まで連れて行ってもらえるではないですか。至れり尽くせりである。

 話は変わるが、あなたが運転中に同乗者が寝たらどうする?

  1. そのまま寝かせておく。
  2. ムッとしながらも寝かせておく。
  3. こっちは運転してやっているのにナローと起こす。
  4. おいおいおいと、オーディオの音量を目一杯大きくして起こす。
  5. こらこらこらと、急発進、急ブレーキをして起こす。
  6. クヌヤローと、ぶん殴って起こす。

 同乗者や状況によって変わると思うが大概は2~6だと思うが、わたしは常に1だ。同乗者が寝てもムッとすることもなく寝かせておく。

 20代の頃、車3台で仕事仲間で旅行に行ったことがあった。帰りは先頭がわたしが運転する車だったのだが、同乗者3名は全員爆睡中。途中、ドライブインに寄ったとき、2番目を走っていた同僚から、
「後ろから見ていたら、全員寝てましたねぇ。かわいそうに」
 と、言われたが、わたしは同乗者が寝ていたことが別に気にはならなかった。

 同乗者の中には、運転してもらっているのに寝ることはできないと、必死に睡魔と戦いながら目を開けている人がいるが、気を遣わずに寝てもらたい。そのほうが、自分の運転に安心してもらえてる、信頼されていると思うからである。

「運転者が疲れてきたなぁと思ったら話しかけると寝ないみたいだよ」
 と、ご丁寧に話しかけてくる人もいるが、わたしとしては非常に迷惑だ。疲れてたところに、不用意に話しかけられるとイライラがたまる一方で、
「黙って寝てろ」
 と、言いたくなるのだ。同乗者は疲れたら寝てろと言いたい。

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