【夢現】女性と便器

女性

 わたしは、男女混合8人制のサッカー大会に出場していて、競技場に隣接するビル中階のルーフバルコニーから競技場での他チームの試合を観ていた。この試合が終わればわたしたちの試合だった。

 ただ、主催者も何を趣旨とした大会なのかも全く分からない。加えて、8人のメンバーは決まっていたが、誰とも面識がなければ、ポジションも決まっていなかった。まぁ、草サッカーみたいなものだ、ポジションはグラウンドに出てから安直に決めるのだろうと思った。

 いつの間にか、わたしの左斜め後方に、ミディアムヘアの細身の女性が立っていた。年頃は20代半ばで身長は160cmくらいだった。

 目が合うと、女性は会釈をしてきた。どうやら同じチームのメンバーみたいだ。わたしも会釈を返し、
「何かスポーツはされていたのですか?」
 と、話しかけると、女性は、
「高校の時、サッカーをやってました」
 と、答えた。

 わたしも中学までサッカーをやっていたので関心を持ち、
「ポジションはどこだったんですか?」
 と、聞くと、
「レギュラーでした」
 と、答えたのだ。
「・・・」 
 わたしはポジションを聞いたと思うが・・・再度、
「そうですか。で、ポジションはどこだったの?」
 と、聞くと今度は、
「大学の時は2度優勝しました!」
 と、嬉々として返したのだ。

 決して、わたしをおちょくっている風には見えなかった。
 しかし、イラっとしたわたしは、
「あのね、ポジションを聞いているんです」
 と、言うと、女性は何か言いたげな、不満げな顔をしてきたので、
「いいですか、あなたは名前を聞かれて、住所を答えているようなものなんです」
 と、窘めると、女性は、
「あっ」
 と、声に出し、漸くとんちんかんな返答に気がついたようだったので、三度みたび質問した。
「ふぅ〜、それでポジションはどこだったんですか?」
 すると、女性は心を弾ませ、胸に手を押し当てて、
「1度目の優勝の時は、白いユニフォームだったんです!」
 と、満遍の笑みを浮かべながら答えた。
Ψ(`◇´)Ψ

 あゝもうだめだ。会話にならん。
 反対側からは「アハッ」と、笑い声が聞こえたので、そちらに目をやると妻だった。
 いつからそこにいたんだ?

 女性とこんなやり取りをしているうちに、競技場の試合が終わった。わたしがビルの外階段を降り始めると、女性の姿はなくなっていた。

便器

 外階段を降りている途中、トイレを催したので男子トイレに寄った。すると、なんでこんなに人がいるんだと思うほど賑わっていて、小便器は蓋なし洋式便器だった。そして、出し始めるといつになっても終わらない。まるで消防車の放水のように、ホースの先から勢いよく出っ放しで、便器いっぱいの量になったが、不思議と溢れ出すことはなかった。

 いつしかわたしの周りには、「すごいな」「まだ出るのか」と言いだけに、人だかりができ、ギャラリー化した男性たちが興味津々に見入っていた。

 すると、ひとりの男性がわたしの向かいから便器に向かって放水しだした。うん、この顔は知っている。でも15年は会ってない。何で彼が現れたんだ?

 彼の勢いはわたし以上だった。あまりにも勢いが凄まじいので、便器から飛び散る雫が、わたしの脚にかかりそうになった。
「おいおいおい、かかるじゃないか!」
 と、言うと、彼はニヤリと笑ったまま、お構いなしだったので、
「ばかやろ、これはおれの便器だ。やめろ!」
 と、憤慨したところで目が覚めた。

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