スペシウム光線のポーズ

 両腕をクロスさせ「バツ」を作る時、右利きの人は右腕が上(外側)になり、左利きの人は左腕が上になることが多く、わたしも妻も右利きなので前者になる。

 そして、「バツポーズからウルトラマンのスペシウム光線のポーズを取って」と言われたら、右腕が上の人は画像右のポーズ、左腕が上の人は画像左のポーズを取るのが自然だと思う。

 正しいスペシウム光線のポーズは左になる。

 初代ウルトラマンのスーツアクター古谷敏(ウルトラセブンではアマギ隊員役)は右利きなのに、なんで左のポーズになったんだろ?

 左のポーズの方が視認性がよく、視聴者がしっくりくるから?
 スペシウム光線を考案した人が左利きだったから?

力道山の空手チョップがヒントになった

 ウルトラマン第1話撮影時、ウルトラマンが怪獣にとどめを刺す必殺技がなかった。そこで、飯島敏宏監督、的場徹特撮監督、高野宏一カメラマン、中野稔工学合成技師が話し合うことになった。

 はじめ、光線は目から出す、口から出す(実際に台本には「口から火を吹く」と書かれていた)、カラータイマーから出すなど挙げられたが、古谷氏は力道山の伝家の宝刀空手チョップが閃き、飯島監督に意見を言うと、
「ちょっとやってみて」
 と言われ、古谷氏は右手で空手チョップ、左手で水平斬りをやってみせ、指先から光線を出すことを提案した。

 すると、中野稔工学合成技師から、
「(フィルムに合成するのは)細くて分かりにくい」
 と言われ、試行錯誤の末に、右腕を立てて、右手の小指先端から手首までの側面で光線を出すことになり、また光線を一直線に描くために、右手がぶれないように、左手を横から十字に右手を固定し、顔もカラータイマーも見えるように左にずらして、スペシウム光線のポーズが誕生した。

 そして、その後のウルトラマンシリーズでも、ウルトラマンに倣えと、

  • ウルトラセブンのワイドショット
  • 帰ってきたウルトラマン(ウルトラマンジャック)のスペシウム光線
  • ウルトラマンエースのメタリウム光線
  • ウルトラマンティガのゼペリオン光線
  • ウルトラマンダイナのソルジェント光線
  • シン・ウルトラマンのスペシウム光線

 全て右腕を立てて、左腕を横にして十字やL字を作るポーズになったのである。

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