
先月、友人から借りた『俺たちの旅』DVD23巻(全46話)を総覧した。
このドラマは、わたしが10代前半の時に本放送されたが、本放送では観たことがなく、再放送を歯抜けで観ていたので漸く全てを見尽くすことができた。
Wikipedia『俺たちの旅』には、
三流私学・修学院大学の学生カースケ、その同級生オメダと、同郷の先輩で早大OB・グズ六が中心に織りなす友情と青春群像を活写し、生きることの意味、悩み、喜びなどについて問いかける。
とあるが、男の恋愛観を取り上げたエピソードが目立つ。
当初、放送予定は2クール(6ヶ月)だった。しかし、視聴率が良かったので4クール(1年間)に延長された。
また、キャストも最初は、中村雅俊がカースケ、村野武範がグズ六、水谷豊がオメダを想定していたが、諸事情により村野と水谷が辞退したため、津坂まさあき(秋野太作)がグズ六、田中健がオメダで落ち着きクランクインした。
サブタイトルは、『男は──』『男の──』『男には──』など、「男」が17話も使われ、「父親」「親父さん」「お兄ちゃん」を含めると20話になる。今回改めてドラマを観賞した男のわたしでさえ、男、男、男ってうざって感じたので、女性だったら尚の事だろう。
この時代、結婚した男は “田んぼの力” の通り、一家の大黒柱として仕事をして家族を養い、女は “女偏に家” の通り、嫁として家庭を守るのが世間一般の慣習だった。
女性が仕事をするにも男女雇用機会均等法ができる前だったので、会社の給料やボーナス、アルバイトの時給さえも男女格差があったし、役職を与えてもどうせ結婚したら辞めるだろうと昇進も遅く、仕事は自分の方ができるのに後から入社した男性社員の部下になった女性社員もいたことだろう。
『俺たちの旅』では男が仕事で女は家庭が日本文化の習わしであることと、それに抗うカースケの考え方や男の生き方が描かれている。したがって、女性は好きな俳優が出ていなければ、関心のないドラマだったかもしれない。
現に、妻と一緒に観ようと思っていたら、
「あんまり興味ないんだよねぇ」
と、つれない返事をされた。
実はわたしも『俺たちの旅』に特別な思い入れがあったわけではない。冒頭で述べた通り、歯抜けで視聴していたので、全部観たい気持ちがあった。されど、DVDを購入してまで観る気はなかった。友人がDVDを持っていたのでお借りしたのだ。
インターネットもパソコンもスマホもないアナログの昭和時代。『俺たちの旅』も、人との連絡手段は直接会うか固定電話で話すか言付け、手紙・はがき・電報だった。
また、当時の流行曲がそれとなくBGMで流れたり、屋外ロケも多く、井の頭公園をはじめ、実在する大学キャンパス、井の頭公園駅、商店街、歓楽街、ビル中、郊外、漁港、温泉地、観光地などあり、新宿や渋谷の街並みも映し出されていた。道路を走る車も懐かしい。
久々に卒業アルバムを開いて、昔の自分を振り返るのと同じように、人間味と人間臭さが充満した『俺たちの旅』を追想しながら観賞したのだ。
些細な口論でも男同士はグーパン、女は男にビンタ。今だったら、そりゃないでしょ! って言動が多い。
たばこは欠かせない小道具。第1話の初っ端、大学の体育館の観客席でオメダがたばこを吸ってるシーンがある。カースケもグズ六もたばこを吸う。TPOお構いなしにスパスパ。火をつけるのはマッチ。
また、同回では山下洋子役の金沢碧が大学の更衣室でB地区露出⁉︎ 第1話から刺激的だ。
歩道脇にエロ雑誌の自販機が堂々と並んでいる!
中華屋のラーメンにはレンゲなんて付かない。女も丼を持って汁を啜る。
駅の改札口はボックス。駅員が改札ボックスで切符の確認や改札パンチで切符切りをしている。
踏切の遮断機が降りているのに潜って反対側へ走って行ったり、線路を歩いたりして、恐らく鉄道会社の許可は取ってないと思う。電車が来ないうちに撮影しちゃおうぜって臭いがぷんぷんする。
などなど、昭和ならではのシーンが満載だった。
浜田大造(ワカメ)役の森川正太は、青春ドラマには欠かせない上手い役者でしたね。2020年10月に胃がんで亡くなっていたことを知りませんでした。享年67歳。
オープニングとエンディングの歌は、中村雅俊の『俺たちの旅』と『ただお前がいい』だが、第7話のエンディングだけは同氏の『ふれあい』だった。
東大受験に4回失敗したワカメは東大を諦め、『なんとかする会社』を起業。社長のワカメがカースケに、
「一緒にやりませんか?」
と、誘うと、
「おまえが社長なら俺は会長だ」
と、カースケが会長になり、一緒に仕事をすることになった。
そして、世界教育販売を辞めたグズ六、不動産会社を辞めたオメダも一緒に仕事をすることになり、4人で仕事をすることになった。なお、グズ六が半ば強引に社長の座につきワカメはヒラに降格した。
仕事は依頼があればやるというスタンスが強かったので安定収入はなかったが、これをヒントに実際に同じような仕事をはじめた人もいたかも。同ドラマのスペシャル版『俺たちの旅 十年目の再会』でも、グズ六がNSサービス(なんとかするサービス)会社を経営していて、社員も数名いた覚えがある。
ところで、グズ六は早大OB(ドラマでも早稲田大学卒業であることを言っている)の設定だが、世界教育販売では簡単な計算ミスをして部長に叱られるシーンがあった。
毎回エンディングに散文詩が表示されるのがこのドラマのミソ。
以上、男目線の雑感です。
































































