
先週は水、木、金、土と4連チャンの外飲みが続き、連チャンが身に徹える年齢になったが、妻は日曜日も仕事の後にイベントの懇親会があったので5連チャンだった。したがって日曜の晩、既に程よく酔って(常人だったら酩酊だろう)帰宅した妻は、疲れと酔いと襲ってくる睡魔と戦いながらの晩飯だったようだ。
いつものように妻が晩飯の支度をして、いつものように「おつかれさま」と、お互いを労い日本酒で乾杯をして晩酌がはじまり、晩飯も半ばを過ぎた頃にわたしはテーブルに置かれていたポテトサラダを食べながら、
「ポテトサラダっておいしいよね」
と、妻に話しかけると、
「芋がおいしいからや。何でおいしいか知ってる?」
と、返してきた。
わたしが「なんで?」と聞くと、妻は「見栄張ってるだけや」と、少々芋との関連性が不明瞭なことを言ってきたのである。
「ん?どういうこと?」
「昔はね、おじいちゃんが孫にこうてたんや」
起承転結のルール無用の話術を得意とする妻なので、いきなり結論を言い出したのか・・・それにしても言わんとしている内容が全く分からない。
「何の話してるの?」
と、訝しげな顔をして聞くと、妻は考え込みながら、
「ランドセル」
と、答えた。
「ランドセル!? 今は芋の話だよね! ランドセルってなんだよ?」
と、詰め寄ると、
「あ! 今寝てた。ほんま眠いわ。芋の話だったな。アハハハハ」
と、妻は虚ろな目をして答えた。相当お疲れのようだ。
わたしも今までにいろいろな人と飲んできたが、話をしているうちに「あれ? なんの話してたっけ??」と、テーマを忘れてしまうことは自他ともに経験したことがある。しかし、妻のようにテーマを魔法のようにすり替えてしまう人にはお会いしたことがなかった。
些か妻を心配したが、わたしはランドセルの見栄張ってる話が気になったので、芋の話は後回しにして続けた。
「その、ランドセルの見栄を張るってなに?」
「それはな、祖父が可愛い孫のために見栄を張って高いランドセルをこうてあげるんや・・・・闇で作って儲けたやつもいるんやで」。
再び妻は訳の分からないことを言って締めくくった。闇でランドセルを作るってどういことなんだ?
「なんの話をしてるの?」
と、今度も訝る顔で聞くと、妻はまた考え込みながら、
「酒・・・禁酒法時代の話」
と、答えた。
「酒の話!? ランドセルだろ!!」
「あ! また寝てた。もうダメや、ほんまに眠い。アハハハハ」。
決して妻は、話している時にこっくりこっくりしていたわけではない。目は虚ろになっていたかもしれないが、普通に話していたのだ。つまり、目を開けながら現実と夢との間を彷徨っていたことになる。器用なことを体得した妻だ。
早々に晩酌晩飯終了。ふたりで洗い物・片付けを済ませ、妻が先に風呂に入った。そして、後からわたしが浴室に入ると、妻は湯船にどっぷり浸かり寝入っていた。
おつかれさん。
P.S.
妻の話では、じゃがいもは収穫してから30分以内が糖質も多くおいしいそうです。

















