
くだらないことを😑 と、舌打ちされても構わないが、本田宗一郎(HONDA創業者)の名言だ。
正しくは、「頭とチンポは生きているうちに使え」「チンポと頭は生きているうちにコキ使え」。
宗一郎氏が熱海で開かれた全国販売店大会のスピーチでこう切り出し、会場を一度にワーッと湧かせたり、年頭の挨拶でよく言った言葉で、男性社員はなるほどと頷き、女性社員は下を向いて必死で笑いをこらえたそうだ。
さて、わたしはインターネットもケータイもないパソコン世帯普及率10%前後の頃に出向先でシステム開発の仕事をはじめたが、コンピューターのコの字の知識も興味もなく、単に給料がいい、「コンピューターの仕事をしています」と言えば聞こえがいい、この先コンピューターは絶対無くなることはない程度の考えしか持たず、将来設計も展望もない甘々のゆるゆるの気持ちでソフトウェア開発の仕事に飛び込んでしまったため、入社間もない出向先では簡単なプログラムひとつ作るにも苦労したものだった。
分からないことを一緒に出向していた自社先輩社員に聞けば、
「マニュアル読んで調べろ!」
と、無下にあしらわれ、マニュアルを読めば専門用語や英単語が多くて、何が書いてあるのかちんぷんかんぷんで、脂汗がにじみ出るわ、頭はクラクラするわで、わたしはフロア内が真っ暗になり自席だけスポットライトを浴びている悲劇のキャラクターにでもなったような感覚に囚われる中、それでも自力でコーディングシート(なつかし~)にプログラミングをして、書き終わったら、コーディングシートをキーパンチャー(なつかし~)室の女性従業員へ渡して、パンチ入力が終わったらソースファイルを8インチフロッピーディスク(なつかし~)に保存してもらい、そのフロッピーディスクを大事に大事に持って(当時は落としただけでファイルやデータが読み込めなくなることがあった)マシンルームへ行き、ソースファイルを汎用機へアップロードしてコンパイルとリンクをして、プログラムテストをする作業を繰り返したが、コンパイルエラーがあったり、テスト環境作りに手こずったり、プログラムにバグがあったりして、一連の作業は遅々として進捗が上がらず、自社先輩社員からは、今だったら百歩譲ってもパワハラだろう激励なしの叱咤ばかりを受け、ノイローゼ気味の悶々とした日々を送っていた。
そして、来る日も来る日も茨の道だったある日のこと、わたしの仕事ぶりを見ていた出向先の上長から、
「藤泉庵、頭とちんぽはあるとき使え」
と、言われたのである。
突然何をくだらないことを言い出すのかと、わたしは苦笑しながら、
「え? なんですか、それ??」
と、上長に聞き直すと、
「子供の頃にな、親父と一緒に風呂に入っていたとき、親父から言われたんだよ “頭とちんぽはあるとき使え” ってな」
と、上長は答えた。再びわたしが、
「はぁ…どういう意味なんですか?」
と、聞くと、上長は笑いながら、
「そういう意味だよ」
とだけ答えた。わたしは、
「はぁ…」
と、ため息を漏らした。
上長は、“がんばれ” と、言いたかったのだと思う。
ま、意味は説明するまでもないが、当時を振り返る今になって、若い頃にちんぽがすり減るほどコキ使えばよかったなぁと省みるわたしだった。
☝︎そっちかよ💨


















